ChatGPTの進化と他AIとの比較
みなさん、こんにちは!
ターン・アンド・フロンティア 役員アシスタントのえりこーです!
AIは日々進化していますが、その中でも「ChatGPT」はどのように進化しているのか?
また、他のAIとどう違うのか、気になる方も多いのではないでしょうか?
近年、ChatGPTをはじめとする様々なAIが登場する中、これらのAIを上手に使いこなすには、特徴を理解して状況に応じて使い分ける必要があります。
そこで今回は、ChatGPTの最新アップデートと新機能、そして他AIとの違いについて、ご紹介したいと思います!
ビジネスと日常生活を変えるAIの最適な使い方について今回も会長の髙野が弊社セミナーでわかりやすく解説していたので、その内容をご紹介していきたいと思います!
はじめに
今回ご紹介するChatGPTの新機能は、ChatGPTの月額20ドルの有料版(ChatGPT Plus)にすることで、利用することができます。
ChatGPTの機能を存分に活用してみたい方は、ぜひ有料版を試してみてください!
新機能の解説 – プラグイン機能 –
まず、ChatGPTには、様々な機能を追加できる「プラグイン機能」があります。
2023年9月7日時点で、プラグインの数はなんと 919個 にも上ります。
これらのプラグインは一覧から選択するだけで簡単にインストールでき、一度で最大3つまで選択して会話に活用できます。
この機能を活用することで、ChatGPTの機能を拡張し、自分のニーズに合ったカスタマイズをすることができます。
便利?なプラグインを一部ご紹介
全てのプラグインを紹介することは難しいので、いくつか有名なものをピックアップしてご紹介したいと思います。
プラグイン – WebPilot –
WebPilotは、ChatGPTにWebページの内容を要約させることができる便利なプラグインです。
通常、ChatGPTに直接URLを渡して要約を依頼すると、「そのページにアクセスできません」と言われてしまうのですが、
WebPilotを使えば、ChatGPTにインターネット上の情報にアクセスさせ、指定したページの要約を生成することができます。
Webサイトの内容を簡潔に把握したい場合に、とても重宝するプラグインです。
プラグイン – ChatWithPDF –
ChatWithPDFは、PDFファイルの内容をChatGPTに要約させることができるプラグインです。
短いPDFなら正常に要約してくれますが、とても長いPDFの場合は限界があるようです。
また、図表が多い取扱書などは、テキストは認識できても図解は理解できないため、実用性に欠ける場合があります。
しかし、テキスト主体のPDFなら正しく要約できるので、ビジネスシーンでの活用が期待できそうです。
プラグイン – Tabelog –
Tabelogプラグインを使えば、ChatGPTに食べログのお店を検索させることができます。
条件を自然言語で説明するので簡単ですが、直接食べログのサイトで検索するほうが、より速く正確な結果が得られるでしょう。
写真付きでお店を紹介してもらえるので便利ですが、食べログの使い方に慣れている人には、実用性が低いかもしれません。
なので興味本位で試してみる分には楽しいプラグインかもしれません。
プラグイン – Daigrams: Show Me –
Diagrams: Show Meは、ソースコードやプログラムを図解してくれる便利なプラグインです。
長文のコードでも、動作フローを視覚的に表現してくれます。
複雑なプログラム構造を理解するのに役立つため、技術者にとって重宝するツールになるでしょう。
コードの可視化で操作の流れを把握したい場合にオススメのプラグインです。
結局プラグインは使えるのか?
プラグインを使えばChatGPTの機能が拡張されますが、実用面で課題があるものもあります。
自然言語で丁寧に質問をするより、Google検索を使うほうが簡単かつ正確な場合が少なくありません。
ただし、会話能力が向上し、音声でのスムーズな交流が可能になれば、プラグインの可能性は大きく広がるでしょう。
現時点では、興味本位で試すものが中心かもしれませんが、今後の発展次第で実用的なツールとして進化する可能性は大いにあると言えます。
機能面の改善とともに、プラグインの精度向上が期待されます。
新機能の解説 -Advanced Data Analysis(旧Code Interprete)-
ChatGPTには、Advanced Data Analysisというデータ分析機能があります。
この機能を使うと、アンケートなどのデータをChatGPTに読み込ませるだけで、自動的に分析してくれます。
データの集計、グラフ化、傾向の説明などを一括で行ってくれるので、簡単かつ高度なデータ分析が可能です。
イメージがつきにくいかと思うので具体的にみていきましょう。
例えば、前回のセミナーのアンケートをExcelファイルにしてChatGPTに読み込ませてみました。
すると、アンケートのデータを読み込み、内容を確認をしてくれました。
しかし、ここからどんな分析ができるのか思いつかなかったので、逆にChatGPTにどんな分析ができるのか提案してもらいました。
Advanced Data Analysisを使うと集計や、人間だと専門家でない限りあまり思いつかない相関分析をすることができるので、
グラフで視覚的に表示してくださいとお願いすると一瞬でプログラムを作ってそこから生成してくれました。
マーケティングや業務改善のための分析に役立つ機能なのでデータを活用したい場合はぜひ試してみてください。
< 豆知識 >
ChatGPTにグラフ作成を依頼すると、日本語フォントが設定されていないため文字化けすることがあります。
この場合、無料の日本語フォント(Googleフォントなど)をダウンロードし、ChatGPTに「このフォントを使用してグラフを作成してください」と指示すると、日本語の文字列が正常に表示されるようになるので、ぜひ参考にしてください。
新機能の解説 – Custom instructions –
ChatGPTには、会話の前提となる条件や回答形式を事前に設定できるCustom instructions機能があります。
これを使うと、次の2点をChatGPTに事前に教示できます。
– ChatGPTに知っておいてほしい情報(事前知識)
– ChatGPTにどのように回答してもらいたいか(出力方法)
この機能を使えば、毎回同じ前提条件を説明したり、回答形式を指定する手間が省けるため、会話がスムーズになります。
ChatGPTとの会話をカスタマイズしたい場合に役立つ機能です。
※ 使用時の注意点 ※
設定した事前情報と質問内容の関係が薄い場合、回答が不自然になることがあるので、その場合は設定をOFFにした方が良いでしょう。
また、出力方法の設定はあまり厳密に指定しすぎない方がいいでしょう。
もしグラフ出力の設定をしている場合、何でもかんでもグラフや表にして表示されてしまうので、
「自然な日本語で」や「専門用語はできるだけ避けて」ぐらいに留めておくことをおすすめします。
ChatGPTと他社AIとの比較
以下の他にもたくさんありますが、こちらも有名どころをピックアップしてご紹介したいと思います。
ご参考:SGE(Search Generative Experience)
SGEは、自然言語での質問に対して適切な検索と回答を支援してくれるAIです。
例えば「残暑見舞いはいつ頃送るべきか?」と質問すると、関連する情報を検索し、回答文と参考リンクを提示してくれます。
Googleなどの検索エンジンを直接使うよりも、分かりやすい説明が得られます。
検索が苦手な方でも、SGEを利用すればスムーズに情報検索ができそうですね。
今回の比較条件
それでは、以下の3つの条件でChatGPT、Bard、Bing、Claude2を比較検証していきます。
・質問への回答(文章生成能力)
・インターネット情報へアクセスができるかどうか
・要約能力
検証1:質問への回答
同じ質問に対して各AIの回答を比較してみます。
ChatGPTは、やや専門的ですが内容的に適切で日本語もしっかりしています。
さすが手堅く出してくれています。
Google Bardの回答は、日本語は堅苦しさがなく、自然な表現ですね。
また、複数の回答案を表示させることができるため、その中から適切な回答を自分で選ぶことができます。
Microsoft Bingは、検索結果を活用しながら回答を導き出す傾向があります。
例えば「企業の情報セキュリティの留意点」に対して、関連する検索結果を参照しつつ回答を生成していきます。
ChatGPTベースのモデルではあるものの、常に検索の補助を活用しようとする点が他と違いますね。
Claude2は、この比較の中で最も自然な日本語で視覚的にも見やすいですね。
回答の内容についても妥当性が高く、的確な回答だと思います。
検証2:インターネット情報へのアクセス
次に、URLを含む質問に対しての回答を比較していきます。
ChatGPTの場合は、WebPilotのプラグインを使用しています。
やや長く詳しいですが情報は網羅し文章の完成度も高いですね。
Microsoft Bingは、指定したURLへ直接アクセスするのではなく、URLの文字列を使って関連する検索を行い、その検索結果を参照しながら回答を生成しました。
そのため結果としてはある程度適切な回答が得られていますが、リンク先の具体的なコンテンツを直接参照しているわけではありませんでした。
Claude2は、指定されたURLにアクセスし、その内容を簡潔に要約・整理して回答を生成してくれます。
また、回答のレベル感も適切で、分かりやすく完結にまとめてくれています。
Google Bardは、指定されたURLのドメイン名から情報を推測し、実在しない情報や架空の内容をもっともらしく書いています(笑)
正確性よりも回答の流暢さを優先するあまり、事実とは異なる内容が含まれてしまう可能性がある点に注意が必要です。
検証3:要約能力
最後に、ちょっと長めの文章の要約を比較していきます。
Wikipediaの「大規模言語モデル」についての説明箇所を使用して検証してみました。
ChatGPTは、長文でも段落ごとに要約し、各段落の要点を過不足なく適切に抽出してくれます。
重要なポイントだけを簡潔にまとめ上げる能力が高いですね。
Claude2は、長文を段落ごとに箇条書きで要約してくれるため、読みやすいですね。
視覚的にも分かりやすい形式と、要約スキルが強みだと言えそうです。
Google Bardによる要約では、もっともらしい内容ではあるものの、オリジナルにない「私たちの生活をより便利で豊かに」という表現が含まれているなど、正確性に欠ける部分が見られます。
また、同じ単語の繰り返しも多く、精度が悪い印象です。
指示の理解度もやや低く、ただ文章を生成するだけに見受けられます。
Microsoft Bingは、要約の指示に対して、直接的には要約を生成せず、関連検索からの回答作成に依存する傾向が見られます。
今回の例では、Wikipediaを参照しているため、概ね適切な要約が得られていますが、
あまりインターネット上に詳細が載っていない分野や専門的な情報についての質問の場合、正確な要約ができるか不安が残ります。
比較のまとめ
今回はたった3つでしか検証していないので他の視点で見るとまた違う評価になると思いますが、ご了承ください。
今後AIの展望
AIの進化は始まったばかりです。
ChatGPTは、皆さんが知り始めたのはごく最近で、発表から1年も経っていないにも関わらず、人間のような会話ができるようになっています。
正確性には課題もありますが、これほどのスピードで機能が進化していることには驚かされます。
今はまだまだ序の口で今後の発展のスピードは計り知れないものがあると思います。
来年のこの時期には、どんな進歩を遂げているのか楽しみですね。
まとめ
この数ヵ月で、AIはデータ分析などの用途で飛躍的に進化しました。
データ分析などを、より多くの人がプログラマーでなくても可能となったのは大きな進歩です。
さらに、個々のユーザーが個別のニーズに合わせたAIアシスタントをより簡単に作れるようになってきました。
しかし、一般的な検索AIと仕事支援用のAIは異なる存在であり、その違いを理解することが重要です。
どんなタスクでも単一のAIツールで完結させようとするのは難しく、必要に応じた合理的なツールの選択が求められます。
最後に
AIは、まさに私たちが目指す 「ITをもっと気楽に」 するための重要なツールです。
これにより人間の能力を最大限に拡張し、生産性を向上させることが可能となります。
確かに、AIは人間に完全に取って代わるレベルにはまだ達していませんが、生身の人間には到底及ばないパフォーマンスを発揮します。
もしまだAIを使ったことのない方は、ぜひ実際に使ってみてご自身で体験していただきたいと思います。
AIがどれほど革新的で、私たちの生活を豊かにしてくれるか実感し、AIの可能性を自身で味わってみてください。
私たちは、みなさん一人ひとりが新たな可能性を探求していただけるようなきっかけを提供できたら嬉しいです。
次回は、実際にChatGPTを弊社でどのように活用しているのかをご紹介します。
ウェビナーも開催しますので、ご興味のある方は、ぜひご参加ください!
【2023年10月27日 (金) 開催】
ChatGPTが仕事を変える!〜社内での活用例とその効果〜
https://aws.taf-jp.com/news/92080
それでは、また次のブログでお会いしましょう〜!